妊娠時の胸の張りの症状で、脇まで痛くなることってある?

妊娠時の胸の張りの症状で、脇まで痛くなることってある?

妊娠時にみられる症状として胸の張りがありますが、脇が痛いという症状がみられる人もいます。

私も妊娠初期の胸の張りの症状で、脇まで痛くなった一人です。胸が張るというよりは右の胸の外側から脇にかけて痛みがあり、手を挙げることさえも痛かったことを覚えています。

脇が痛いのは右の胸だけで、左の胸は胸の張りも脇の痛みもありませんでした。妊娠初期にみられる脇の痛みにはどのような場合があるのかをみていきましょう。

妊娠時にみられる脇の痛み

妊娠時にみられる脇の痛みの原因として考えられるのは次の5つです。

乳腺組織が刺激を受ける

乳房は主に乳腺と脂肪組織からできています。乳腺が乳房のどれくらいを占めているか(乳腺密度)は人によって異なります。また、加齢とともに、乳腺密度は減少し、脂肪組織が多くなります。乳腺組織は人によっては脇の下まである人もいるため、妊娠時に女性ホルモンの分泌の変動によって脇の下の乳腺組織が刺激を受けて、脇まで痛くなることもあります。胸の張りの症状は両方の胸に出ることもあれば、片方の胸にのみ出ることもあるので、両脇に痛みが出る人もいれば、片方の脇のみに痛みが出る人もいます。

女性ホルモンの影響によって乳腺組織が刺激され胸が張り、脇が痛いという症状は女性ホルモンの分泌の変動が起こる生理前にもみられます。

副乳

通常の乳房の位置ではなく、生まれつき、脇の下に退化するはずの乳腺組織が残っている人がいます。乳頭が残っている場合もあれば、乳腺組織のふくらみが残っている場合もあります。また、左右の脇に両側ある方もいれば、左右どちらかの片側のみにある方もいます。1)

私が出産時に同じ病室だった方で、妊娠すると副乳が張って脇が痛いと訴えておられる方がいらっしゃいました。一人目、二人目とも副乳が張るという症状があったそうです。その方は片側にだけ副乳があるとおっしゃっていました。副乳が張って痛むときには看護師さんからアイスノンを受け取り、張って痛む部分を冷やされていました。

リンパ節の腫れ

風邪や病気で身体に炎症が起こっているときにはリンパ節が腫れることがあります。脇の下にはリンパ節があるので、体調が悪い、熱がある、脇のリンパ節が腫れて痛い、脇が熱を持っているなどの症状がある時には身体が炎症を起こしているサインですので、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。

乳がん

乳がんが乳房の近くにある脇の下のリンパ節へ転移した場合には脇の下の痛みやしこり、腕のしびれなどがみられることがあります。乳房にはしこりがみられないのに脇の下にリンパ節が腫れてわかる乳がんもある2)ので、心配な脇の痛みや腫れの症状がある場合にはかかりつけの産婦人科や乳腺外科を受診しましょう。

乳腺症

主に女性ホルモンの分泌の変動の刺激を受けて、乳腺組織に起こる生理的な変化を乳腺症といいます。胸の張りや胸・脇の痛みなどの症状がみられます。

生理前や妊娠時にみられる乳腺の変化は、乳腺全体に均一に起こって、ホルモンの変動が治まれば元通りに戻るということはなく、ある一部分だけに強く変化が起こることや、元に戻りきらないで変化が残ったままとなる場合もあります。女性のほとんどは乳腺組織の変化がみられると言われており、3)乳腺組織の変化が大きければしこりや痛みなどとして症状が現れることもあります。

妊娠時に脇の痛みがみられたら

妊娠時には女性ホルモンの変動によってさまざまな変化が身体に起こります。脇の痛みが妊娠による生理的な変化であれば痛みは一時的なもので治まります。しかし、常に脇が痛い、腫れや痛みが強くて日常生活に支障をきたす、しこりが触れる、体調が悪い、発熱などの症状が伴う場合にはかかりつけの産婦人科を受診し、診断を受けて適切な治療を行いましょう。

乳がんの自己検診

妊娠時に脇の痛みがみられたときに心配になるのが乳がんではないかということだと思います。乳がんでは自覚症状で痛みがみられる時もありますが、自分で乳がんに気付くきっかけとなるのはしこりの症状であることが言われています。4)

鏡の前で腕を上げ、胸の形や左右差に変化がないかを確認する、指で円を描くように胸を触ってしこりがないかをチェックする、仰向けで脇から内側にかけて指でなぞってしこりがないかをチェックすることを日頃から行い、いつもと違う変化に早く気づけるようになることが大切です。


1)城本クリニック 副乳 Link
2)玉川病院 乳腺外科 頻度の高い主訴 Link
3)医療法人社団 響 中澤プレスセンタークリニック Link
4)JA静岡厚生連 ”身近な”乳がんのはなし〜乳がん検診とセルフチェックのすすめ〜 Link