妊娠、出産後も胸の大きさを維持する対策とは

妊娠、出産後も胸の大きさを維持する対策とは

妊娠、出産で胸の大きさは変化します。妊娠すると授乳期に向けて胸の大きさは大きくなっていきますが、授乳期が終わると、今度は胸は小さくなっていきます。妊娠、出産による胸の大きさの変化は生理的な変化であり、避けて通ることはできませんが、少しでも胸の下垂やたるみを防ぎ、胸の大きさはできるだけ維持したいと思いますよね。

妊娠、出産での胸の大きさの変化と大きさを維持するための対策についてみていきましょう。

妊娠で起こる胸の大きさの変化

妊娠すると胸は大きくなります。妊娠前から比べると、妊娠10カ月の間に約2カップサイズが大きくなります。1)胸が大きくなるなり方は、胸の下部が横へ広がるように大きくなります。前へと胸のボリュームが出るのではなく、左右の乳頭の間は広がって、乳頭の位置は下がります。2)前へツンとハリのある理想的ボリュームアップの仕方ではなく、妊娠時は胸の下部が横に広がり、やや下垂する形で大きくなります。

妊婦体型の妊娠に伴う変化の研究の妊娠月数と胸の各項目の平均値の調査結果を見てみると、胸囲は妊娠2~3か月時から妊娠10カ月までの間に8.58㎝増大しています。上部胸囲の増大は4.12㎝であるのに対し、下部胸囲の増大は8.78㎝であり、胸の下部が大きくなっていることがわかります。

また、乳頭間隔は妊娠2~3か月時から妊娠10か月までに2.7㎝間隔が空き、首元から乳頭までの距離は1.32㎝長くなっています。左右の胸の乳頭が両側に開き、乳頭の位置が下へ下がることがわかります。

乳房の深さは妊娠6か月時にいちばん値が高くなり、それ以降は値が小さくなっていきます。乳頭高は妊娠5か月時がいちばん高く、妊娠2~3か月から妊娠10か月時まで増減し、妊娠10か月時には0.56㎝の増大となっています。乳房の厚みと乳頭の高さは妊娠期間中増減し、妊娠2~3か月から妊娠10カ月時の増大はミリ単位でわずかな増大となっています。このことからも乳房は前へと大きくなるのではなく、横へと広がることがわかります。

妊娠2~3か月 妊娠10カ月
胸囲 83.14㎝ 91.72㎝
上部胸囲 81.40㎝ 85.52㎝
下部胸囲 72.02㎝ 80.80㎝
乳頭間隔 18.05㎝ 20.75㎝
首元~乳頭までの距離 34.09㎝ 35.41㎝(妊娠6カ月時2.72㎝)
乳房の深さ 2.16㎝ 2.43㎝
乳頭高 109.04㎝ 109.60㎝(妊娠5カ月時109.71㎝)

山名信子ら 妊婦体型の妊娠経過に伴う変化 表2より一部抜粋 人間工学 Vo1.20,No.3 (’84) Link

出産後の胸の大きさの変化

出産後は乳腺の活動が活発になり、母乳が蓄えられて胸の重さが重くなります。授乳から断乳までの約1年間で胸はだんだんと小さくなります。

胸は、妊娠期に横に広がるように大きくなってやや下垂し、出産後の授乳期には重くなってさらに下垂します。重力に従って胸が重くなった分、乳房の組織を支える役割をしているクーパー靭帯も伸ばされます。胸の容量が大きくなった分、胸の皮膚も伸ばされています。

授乳期が終わって胸のサイズがだんだんと小さくなっていくと、クーパー靭帯のゆるみと皮膚のたるみが残ります。結果、出産後は胸の張りがなくなって大きさはしぼみ、皮膚のしわとたるみ、下垂がみられるようになります。

妊娠、出産後も胸の大きさを維持する方法

一度、胸は下垂してしまうと元に戻ることは難しくなります。胸の大きさを維持するためには予防することが大切です。

妊娠、出産後専用の胸を支える機能のある下着を身につける

妊娠、出産によって胸は大きく、重くなります。胸の組織を支えるクーパー靭帯が伸びることや皮膚が伸びることは避けられず、一度伸びたクーパー靭帯や皮膚は元に戻ることはありません。

そのため、妊娠、出産後も胸の大きさを維持するためには、できるだけ、胸が重さで下垂してしまうことがないように、大きくなっていく胸を圧迫せずに、かつ、支持することができる下着を身につけることです。

私の体験談になりますが、1人目と2人目の妊娠時、出産後はそれぞれ専用の下着を用意してしっかりつけていたおかげか、胸の大きさは妊娠前に比べて小さくはなりましたが、そこまで下垂やたるみが気になることはありませんでした。3人目の妊娠時、出産後は、楽さを優先してずっとブラトップで過ごしていました。私の場合は2人目と3人目の出産が空いているので、加齢の影響もあると思いますが、専用の下着で胸を支えることをしなかったら、見事に胸の大きさは小さくなり、下垂、たるみが目立つようになりました。下垂、たるみが出てからでは遅いので、事前に下着で対策しておくことが大切です。

筋力低下を防いで姿勢をよくする

妊娠、出産後はどうしても運動不足になりがちで、筋力も落ちやすくなります。妊娠、出産後で大きくなり、重くなる胸の影響や、赤ちゃんを抱っこするために姿勢も猫背になりやすくなります。筋力は重力に抗する下肢や体幹の筋肉から落ちていくので、日頃からできるだけ歩く時間を設けるなどして下肢や体幹の筋力が落ちないようにしておくことが大切です。

下肢や体幹の筋力が落ちると、骨盤を起こして身体を支えることがしんどくなるので、猫背になりやすくなります。猫背になると背中が丸くなるのに従って胸も下垂しやすくなるので、背筋を伸ばして良い姿勢をキープできるように意識しましょう。胸自体の大きさを大きくすることは叶いませんが、胸の土台となる大胸筋を鍛えることも胸が開いて姿勢を良くすることにつながります。

歩くときは背筋を伸ばして軽く腕を後ろに引くようにし、足はしっかり地面をとらえてつま先で蹴り出して歩きましょう。


1)ワコールマタニティ からだの変化とマタニティインナー選び Link
2)山名信子ら 妊婦体型の妊娠経過に伴う変化 人間工学 Vo1.20,No.3 (’84) Link