卒乳を考えていても、そのケアはどのようにしたらいいのか、いつまでするものなのかなどよくわからないという方も多いでしょう。
搾乳はどのタイミングでするのか、どの程度搾乳するのか、どうなったら受診するのか、母乳が少しでも残っていると乳ガンになるのか、最後は助産師に必ず搾ってもらうのが必要なのかなど、疑問は尽きないですね。
ここでは、搾乳のタイミングや卒乳中のケアや、卒乳後に心配されている残った母乳のことについてもお話しましょう。
卒乳ケアとは
卒乳ケアとは、卒乳中の搾乳などのケアも含めて卒乳ケアとしていることもありますし、卒乳後の乳房マッサージを指していることもあります。
ここでは、卒乳中の搾乳なども含めた全体的なケアについてお話します。
卒乳中と卒乳後のケアを合わせて、どれくらいの期間がかかるかは、個人によって違います。
搾乳が1回で済み、その後も問題なければ1週間ほどで終わる場合や、何回か搾乳をしなくてはいけない方は数週間かかることもあるかもしれません。
でも、卒乳する日までに授乳が1日1回ほどになっていれば、卒乳を進めてもそれほど強く乳房が張ることはありません。
断乳という形で、1日の授乳が5回以上あるときにいきなり母乳を与えないようにするのではあれば、断乳が終了するまでに時間がかかることもあり、乳房トラブルの可能性も想定しておく必要があります。
卒乳中のケア
卒乳中のケアとしては、卒乳が終了するまで乳房の状態に合わせて搾乳したり、乳房を冷やしたりすることがメインになります。
理想的な卒乳ケア
卒乳中に、乳房は刺激(授乳したり搾ったりすること)しすぎると良くないため、どれくらいの間隔で、どの程度(全部搾るまたは少し圧抜きするなど)搾乳する必要があるのかを、乳房を観察しながら行うのが理想です。
できれば助産師に相談、または実際に確認してもらいながらできるといいですね。
医師でも乳房のケアや卒乳に詳しい方がいらっしゃいますが、卒乳に関しては医師よりも助産師に相談するほうが良いと思います。
具体的な方法を示してくれるでしょう。
搾乳間隔が決まっている方法
情報によっては、卒乳を進めていくのに搾乳間隔が決められていることがあります。例えば、母乳を飲まなくなったら、◯時間後に搾乳、更に◯時間後に搾乳、◯日後・・・というペースで搾乳する間隔が示されています。
その通りに実行してみて、乳房の張りも痛みも治まってちょうどよい搾乳間隔だったという方は問題ないでしょう。
でも、「その間隔だと、乳房が痛くて張りすぎる」という方もいますし、「そんなに頻繁に搾乳しなくても大丈夫」という方もいらっしゃいます。
このように、乳房の状態に合わせないで搾乳すると、また乳房が反応して母乳を作ってしまったり、乳房がより張ってきたりする可能性があり、卒乳の妨げになるかもしれません。
乳房の状態によって搾乳間隔が決まる方法
これは、自分で搾乳できる方の卒乳の方法です。
途中でうまくできないときには、助産師に相談したり受診したりしましょう。
第1段階
「授乳回数が1日に1回ほどになったら」卒乳開始しても良いでしょう。
ブラジャーはしっかりと乳房を支えられるものを使用してください。
母乳を与えなくなると、乳房が張ったり痛くなったりする場合が多いのですが、どれくらいまで様子を見ていれば良いのか、すぐ搾った方が良いのか迷ってしまいますね。
個人差がありますので一概には言えませんが、第1段階は、飲まなくなって1-2日ほど搾乳なしで過ごせればいいですね。
どうしてもつらい場合は、第2段階に進みましょう。
第2段階
母乳を飲まなくなった後に搾乳しないと、よく3日目頃に乳房の張りが出てくることがあります。
乳房の硬さや痛みによって搾乳の程度が違いますが、おおよそ次の通りです。
あまりにも張りが強く乳房が硬い方は、ある程度乳房が軽くなるまで搾ってみてください。
また痛みがある方は、痛みが楽になるくらいまで搾乳します。
それほど乳房の張りが強くない方は、圧抜き程度〜少しだけ楽になる程度の搾乳をしてください。
それもしなくても良いほど張りがない方は、乳房が張ってくるまで何もしないほうが良いかもしれません。
搾乳は刺激になりますので、搾った後はそれを鎮めるために保冷剤で冷やします。
身体が冷えてくる場合、無理をして冷やす必要はありません。
第3段階
第2段階からは、これまでより長く搾乳をしないで乳房は張ってこなければ良い状態と言えるでしょう。
でも、また張りが出てきて痛くなるようなら搾っていきます。
とても痛いし硬いのに、搾乳せずに放っておくと乳腺炎になってしまう可能性がありますので、注意しましょう。
このようにして、乳房の状態に合わせてだんだんと搾乳の間隔をあけていくのです。
そのうちに、搾乳をしなくても乳房の張りはなくなって、張りや痛みを感じなくなるのです。
搾乳が何回必要になるかは個々で違います。
おおよそ1-3回ほどが多いと思います。
卒乳後のケア
卒乳後のケアは、その後にしこりができる、痛いなどがなければ何もしなくても良いでしょう。
でも、残った母乳が及ぼす影響について心配する声が多くありますので、それについてお話しましょう。
残った母乳の行方
「残った母乳を放っておくと乳ガンになる」「次の赤ちゃんに古い母乳を飲ませることになる」
というようなお母さん方が不安になる情報があるようですが、根拠のない情報です。これを信じてはいけません。
搾乳しても多少の母乳は乳房にありますが、ずっと残っているわけではありません。
人間の身体は不要なものは出す、または吸収されるようになっています。
必ず乳ガンになるとは限りませんし、古い母乳が残っていて次の赤ちゃんに与えてしまうことにはなりません。
次の妊娠や出産のときには、リセットされて新しい初乳から出てくるので安心してくださいね。
余談ですが、乳がん検診は受けておきましょう。
卒乳中の注意
卒乳するときは、今までの飲んでいた母乳を飲まなくなるため、乳房が張ってきたり、痛くなったりする可能性があります。
乳房の状態を観察しながら卒乳を進めていったとしても、うまく搾乳できないことも考えられますので、乳房の様子がおかしいと感じたら受診しましょう。
また、赤ちゃんがあまりにも母乳を欲しがって、卒乳が難しくある場合もあります。
そんなときは、また時期を改めても大丈夫です。
最後の乳房マッサージ
卒乳して最後の乳房マッサージは必ず必要なものではありません。
母乳は残らないし大丈夫と言われても、ことは赤ちゃんや自分の身体のことですので、心配になることもあるでしょう。
心配なようであれば、最終的に助産師にチェックをしてもらい、最後の乳房マッサージを受けるのも良いでしょう。
乳房マッサージが身体に悪影響を及ぼすことはありません。
乳房マッサージは、卒乳してからあまり日が経たないほうが良いでしょう。
1週間前後を目安にチェックしてもらうといいですね。
これで卒乳ケアは終了です。
まとめ
卒乳中のケアから卒乳終了後のケアまで、注意点や残った母乳のことも含めてお話しました。
卒乳の乳房ケアがいつまで必要かは、個人によって様々です。
1週間の方もいらっしゃれば、数週間の方もいらっしゃいます。
卒乳の方法は色々ありますが、理想的なのは助産師に乳房の状態を確認してもらいながら行う方法です。
でも、全ての方が助産師に相談できるとは限りませんね。
自分で乳房の状態を確認しながら搾乳して、卒乳を進めていく方法をお伝えしましたので、参考にしてくださいね。
でも、乳房の調子が悪いときには、悪化する前に早めに受診しましょう。
皆さんの卒乳がトラブルなくうまくいくといいですね。