
産後、気づいたら「バストのボリュームが減って、ハリがなくなってしまった」、「バストの位置が下がってしまった」など、バストダウンに悩む方は多いのではないでしょうか。
私自身も出産の度にバストダウンを経験し、産後に慌てて対処法を調べ、いろいろ試した経験があります。産後のバストダウンはどうして起こるのでしょうか。有効な対処法はあるのでしょうか?
今回は産後のバストダウン対策としておすすめの方法を紹介していきたいと思います。
産後のバストダウンは加齢と出産によるバストの変化から
産後にバストダウンしてしまうのは、加齢によるバストの変化と、出産前後でのバストの変化でかかるストレスが原因です。加齢によるホルモンバランスの変化で「脂肪が増えること」、加齢による変化や出産前後でストレスがかかる「クーパー靭帯や皮膚の伸び」によってバストダウンは起こります。
バストダウンの原因は脂肪の増加と、クーパー靭帯・皮膚の伸び
私自身、三人の子どもの卒乳の度にしぼんでいくバストを経験しています。一人目、二人目まではバスト全体のボリュームが少し減るぐらいでしたが、40代を目前にした三人目の卒乳後、ブラジャーのカップの上部分がカパカパになってしまうくらい、バスト上部のボリュームがなくなり、全体的にバストが下がるという悲しい状態となりました。
下着メーカーの調査では、バストの位置とハリが「見た目年齢」に大きく影響し、下がっているバストに対して、位置が高く、上部にハリがあるバストは、平均で4.1歳若く見えるという結果も示されています。1)
加齢による脂肪の増加
加齢によってホルモンバランスが変化し、脂肪が増えます。バストを構成している乳腺と脂肪の割合も変わり、乳腺よりも脂肪が多くなってバストがやわらかくなり、張り感が失われます。

クーパー靭帯の伸び
クーパー靭帯とは主にコラーゲンでできている組織で、バストを構成している乳腺や脂肪組織が丸いバストの形を保つように網目のようにバストの中に存在して組織間を支えています。クーパー靭帯自体が、加齢とともに弾力がなくなって緩んで伸びるとともに、バストの重さや揺れなどの刺激を受け続けることでクーパー靭帯は徐々に伸びていきます。
また、出産後はバストに母乳が蓄えられて大きく重くなり、クーパー靭帯にストレスがかかって伸びやすくなるのです。クーパー靭帯は一度伸びると縮むことはないため、バストの形を保つことができずに、バスト全体が下垂して外に流れるという変化が起こります。
皮膚の伸び
加齢による変化で皮膚の弾力性と柔軟性がなくなり、バストを支える力が弱くなります。
産後のバストダウンを防ぐには
バストダウンしてしまったら元に戻ることはないので、バストダウンを防ぐための対策が必要と言えます。
私もバストダウンした後にいろいろ試しましたが、元に戻すことは叶わなかったのでバストダウンさせないことが大切だと感じました。
下着メーカーの研究では加齢による体型の変化が少ない女性は「美しい姿勢と活動的な生活」、「バランスの良い食事」、「身体に合った下着をつける」ことを意識して行動している2)という報告が得られています。
美しい姿勢と活動的な生活
上半身を支えている筋肉は、体幹の筋肉である腹筋と背筋、それから上半身で大きな面積を占め、バストの土台ともなっている大胸筋などがあげられます。

バストアップと聞くと、「上半身の筋肉の筋トレをすればいいんでしょ?」と考えてしまいがちですが、毎日の生活の中で姿勢を正しく保ち、活動的に過ごすということがバストダウンを防ぐことにつながります。
もちろん普段の生活プラス筋トレを行うのも悪くありません。ですが、まずは「お腹に力を入れて背中を伸ばし、肩を開く」という姿勢を意識してみましょう。
普段、上半身が丸くなって重力に負けてしまいがちだと、背中を伸ばした姿勢をとるだけでも辛いと感じると思います。上半身の筋肉を使う美しい姿勢で歩く時間、趣味や家事など、身体を動かして活動する時間を増やしてみましょう。
良く動いて身体が軽くなると、自分に自信がついて胸を張った姿勢をとることが気持ちよくなります。前向きな気持ちが美しい姿勢をとることにもつながるので、「姿勢を正す」、「運動する」など、自分ができるところから始めてみるのがおすすめです。
バランスの良い食事
「毎日同じ時間に規則正しく食事をとり、栄養バランスのとれた食事を行うこと」と聞くと当たり前のように感じますが、身体の中から加齢による変化を進めてしまわないためには、バランスよく栄養をとって健康な身体をつくることが大切です。活動的に動くための活力ともなりますね。
身体に合った下着をつける
妊娠時や授乳時は、しめつけ感や息苦しさなども敏感に感じてしまうので、ついつい楽な下着を選んでしまいがちです。妊娠時や授乳時はバストの大きさや重さが大きく変化する時期です。
バストの大きさや重さのストレスでクーパー靭帯や皮膚が伸び、バストダウンにつながるので、バストを支え、バストの形を保つ機能のある下着を選びましょう。
妊娠時や授乳時のバストは普段のサイズとは変わっているので、実際に試着して自分のバストに合った下着を身に着けることがおすすめです。
参考文献