一人目を妊娠した時には胸が張ったのに、二人目の妊娠時には胸が張らないという不安を抱えている妊婦さんが多いようです。
一人目妊娠時で胸が張った人でも、二人目妊娠時には胸が張らないことがあるのでしょうか。胸の張りが起こる原因と一人目妊娠後の胸の変化について触れながらみていきましょう。
妊娠時の胸の張り、一人目と二人目の違いとは
妊娠すると、妊娠を継続し、出産に向けて、身体の準備を整えるために、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が増加します。1)
胸の張りはこれらの女性ホルモンの分泌の増加が関係していると考えられています。しかし、胸の張りの症状には個人差があり、一人目妊娠時でも胸の張りをあまり感じない人もいれば、痛いぐらいに胸が張る人もいます。一人目妊娠時に胸が張ったからといって、二人目妊娠時にも必ず胸が張るというわけでもないようです。また、一人目妊娠後から生理前の胸の張りも感じなくなったというパターンもあるようです。
生理前の胸の張りが起こる原因は、月経周期の黄体期の後半に女性ホルモンの分泌が低下することや、環境要因が重なり合って脳内ホルモンや神経伝達物質の分泌や作用に影響するためだと考えられています。2)女性ホルモンの分泌の変動が絡んでいますが、それだけでは説明できず、生理前の胸の張りにおいても個人差があり、一人目妊娠後も胸の張りがある方、胸の張りを感じなくなった方、それぞれのようです。
二人目以降の妊娠では生理前の胸の張りがなくなることも
私自身は生理時よりも強い胸の張りが妊娠初期のサインと思っていたぐらいですので、妊娠初期には胸の張りを感じていました。しかし、三人目を出産後は生理前に、胸の張りが辛いと感じたことは一度もありません。というのも、出産するたびに胸がしぼんで張りがなくなり、もはや胸が張るということがないからです。
出産後の胸の変化も、一人目出産後に胸がしぼんでしまったから二人目の妊娠時には胸が張らないのでは?と心配する要因の一つとなっているようです。
出産後は胸の張りがなくなって小さくなる
二人目以降に胸が張りにくくなる要因の一つかもしれない出産後の胸の変化についてみていきましょう。
出産後は授乳の準備のために乳腺が発達し、胸の容量が大きくなり胸の張りも増します。しかし、産後3カ月ごろから徐々に胸の大きさが小さくなりだし、張りもなくなってきます。産後6か月たって授乳の機会が減るにしたがって胸の容量や張りはなくなり、胸がたるんだ、胸がしぼんだという表現が合うような胸の形になってきます。
私は、一人目出産後は、産後の胸の変化を恐れて下着を支える機能のあるものに変えたり、マッサージをしたりとケアを一生懸命していたので、妊娠前と比べたら少しサイズが小さくなったかなぐらいで、そこまで胸のたるみやしぼみを気にしたことはありませんでした。しかし、二人目、三人目と妊娠・出産・授乳を繰り返すたびに明らかに胸のサイズは小さくなってたるみ、皮膚がのしわが目立つようになりました。加齢による胸の変化も加わってのことだと思いますが、三人目出産後には生理前の胸の張りも感じることがなくなったのです。
二人目以降の妊娠時の方が授乳時の胸の張りは感じにくくなることも
妊娠初期の胸の張りは、一人目妊娠時でも、二人目以降の妊娠時でも個人差があるようですが、出産後、授乳時の胸の張りは、産後の胸の変化の影響もあって二人目妊娠以降の方が感じにくくなるようです。3)
それは、妊娠、出産で胸の容量が増え、サイズが一気に大きくなり、再び元に戻るという変化を経験していることにあります。一度膨らませた風船がしぼんだときに、張りがなくなり、表面にしわができてしまうように、胸も一度大きくなってからしぼむと皮膚のたるみが出てしまいます。
それから、胸の形を保つ働きをしているクーパー靭帯が胸のサイズが大きくなった際に伸びてしまうことが関係しているといえます。クーパー靭帯は一度伸びてしまうと元に戻ることはありません。4)
母乳の出方に関しては、二人目妊娠時の方が一人目妊娠時より胸の張りが少なくてもしっかり出る人もいれば、下の子のお世話でゆっくり休む機会が得られず、疲れやストレスが溜まり、母乳が出にくくなる場合などさまざまなようです。
一人目の妊娠も二人目の妊娠も胸の張りは個人差がある
胸の張りと妊娠しているかどうか、母乳の出方については個人差が大きく、同じ人でも一人目妊娠時と二人目以降の妊娠時とで状態が異なります。一度経験していると、どうしても前回と比べたくなってしまいますが、自分の中だけで不安になることのないように、気になることがあればかかりつけの産婦人科に相談しましょう。
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2)甲村弘子 若年女性における月経前症候群(PMS)の実態に関する研究Link
3)ふわり助産院 経産婦Link
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