一人目授乳中に二人目を妊娠したら胸は張らない?

「一人目を出産して授乳中に妊娠していたとしたら、胸の張りは起こらない?」と不安になる方がいるようです。 それというのも、授乳中にも胸が張る人と張らない人がいるからです。 授乳中に胸が張る仕組みとともに授乳中の妊娠で胸が張る症状がわかるのかどうかを考えていきましょう。 授乳中の胸の張り 妊娠するとプロラクチンの作用によって乳腺が発達し、胸が張り、胸の容量が大きくなります。出産後には母乳がつくられて生理的な胸の張りが起こります。胸の張りは、授乳すると一時的に軽くなりますが、時間が空くとまた胸が張ってくるということを繰り返します。 しかし、中には、胸の張りは感じないけれども、授乳すると母乳は出るというタイプの方もいらっしゃいます。このタイプの方は差し乳という表現をされることもあります。実際に私が出産のときに同じ病室だった方が「私、差し乳だから胸が全然張らない」とおっしゃっていました。 私自身は出産後、胸がキンキンに張って乳管が開かないという状態で、涙を流して痛みに耐えながら看護師さんの乳房マッサージを受けていたので、差し乳タイプの方をなんともうらやましく思った経験があります。ですが、差し乳タイプの方は、「胸が張らないから母乳が出ているか心配」という不安を持つこともあるようです。母乳が出る仕組みを確認するとともに、授乳中に起こる胸の張りについてみていきましょう。 母乳が出る仕組み 妊娠中は、エストロゲンやプロゲステロンが多量に分泌されており、母乳が出ることがおさえられています。出産直後から産後2日までの間は免疫にかかわる成分がたくさん含まれている初乳が赤ちゃんが吸わなくても分泌される仕組みになっています。 産後2〜3日後からはプロゲステロンが減少し、母乳の分泌される量が増えて母乳の成分も初乳のときとは変わります。出産直後から授乳を十分にしていれば胸は軽く張り、母乳の分泌量も増えてきますが、授乳や搾乳をしていない場合には腫れや痛み、熱感を伴って胸が張ります。出産後1週間授乳の機会がないと、母乳を分泌するプロラクチンの値は妊娠前まで低下して、母乳の分泌が止まってしまうこともあります。 出産後9日後以降は赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激で母乳が分泌され、授乳や搾乳で乳房から出ていく母乳の量の分だけ新たに母乳がつくられるという調整が行われるようになります。1) 授乳中に胸が張らずに心配な時は 授乳中では、授乳の間隔が少しでも長くなると、胸が張ってしょうがいないという方もいれば、胸の張りは感じないけれども赤ちゃんが吸えば母乳は出るという方もいらっしゃいます。「胸が張らないから母乳が出ていないかも」と心配になったときには自己判断でミルクを足さずに以下のことをチェックしてみましょう。赤ちゃんが母乳を十分に飲んでいるときのサインは以下のとおりです。 24時間に8回以上母乳を飲んでいる 24時間に6〜8回の色の薄い排尿がある 24時間に3〜8回の排便がある 赤ちゃんが授乳中にごくごくとおっぱいを飲んでいることが確認できる 赤ちゃんが次の授乳までに機嫌よく過ごしている 赤ちゃんが元気に過ごしており、肌の張りもよい 赤ちゃんが十分に母乳を飲んでいるときのサインに当てはまるかどうかの判断がつかない場合には、市町村の保健センターなどで1週間に1回程度赤ちゃんの体重を測り、体重が増えているかどうかをチェックすることもよいでしょう。2) 有料になりますが、赤ちゃん用の体重計のレンタルができる会社もありますね。1回ごとの授乳でどれくらい飲んでいるか気になる場合には、授乳の間隔が安定して空くまで、授乳前後に体重を測ってチェックすることもよいでしょう。出産した産院や助産院、保健センターなどで母乳相談もできます。専門家の具体的なアドバイスももらえますので、悩んだときには活用してみましょう。 授乳中に妊娠時の胸の張りはわからない 授乳中でも胸が張る人と張らない人がいます。妊娠しても胸が張る症状が出る人もいれば出ない人もいます。授乳中の胸の張りで妊娠しているかどうかを判断するのは難しいといえるでしょう。 妊娠しているときに授乳をしていると、赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激で胸が張りやすくなるということから授乳の中止を指導される場合もあります。過去の論文では、妊娠中に授乳していることと流産との因果関係は認められないので、妊娠したからといって授乳をすぐに中止すべきではないと示されています。ですが、妊娠中の授乳と早産との関係については今後の研究が必要であるとあります。3) また、母乳の量について興味深い研究発表がありました。千葉大学によると、母乳の分泌量に関与する遺伝子が発見され、母乳の分泌量はその人の生まれつきの個性であり、遺伝的に決まっていることがわかったとのことです。胸が張らない、母乳が出にくいとほかの人と自分を比べて落ち込むことはありません。人それぞれという情報をみんなが共有して理解し合うことが大切だと感じます。 1)NICU に入院した新生児のための母乳育児支援ガイドライン(解説編)日本新生児看護学会 日本助産学会平成 22 年…

どうして?対処方法は?授乳中の片方だけの胸の張り

授乳中に胸が張ることはよくありますね。 片方の胸だけが張ってしまって、不安になったという経験をした方もいらっしゃるでしょう。 片方の胸だけが張る原因は色々ありますし、両方全く同じ張りや大きさ、母乳の出かたをするお母さんの方が少ないかかもしれません。 片方だけの乳房が張る原因としては、母乳の飲み残しや乳腺の詰まり、乳房の反応が強い、乳腺炎が挙げられます。 ここでは、一つずつ原因と対処方法についてお話します。 母乳の飲み残し 原因 片方だけの乳房が張るときの原因としてまず考えられるのは、「母乳の飲み残し」です。 赤ちゃんが飲む量よりも多くの母乳が作られて、飲みきれなかった母乳によって乳房が張っていると感じることがあります。 この場合は、特に深刻な状態ではありません。 対処方法 乳房に残っている母乳を出しておく必要がありますので、搾乳をしましょう。 手で搾っても搾乳器を使ってもどちらでも大丈夫です。 次の授乳を待っても乳房がカチカチになることがない場合は、赤ちゃんのペースで母乳を飲んでもらいましょう。 次の授乳まで待てないほど乳房の張りが強い場合は、やはり搾った方が良いですね。 可能なら、授乳時間を長くしたり頻繁に授乳したりすると乳房の張りが良くなることがあります。 乳房の反応が強い 原因 乳首の形状が飲みやすい、母乳がよく出る、長い時間飲むことなどにより、乳房の反応が強くなり、その乳房だけによく張りを感じるという方もいらっしゃいます。 これらは関連していて、飲みやすいから長く飲むと、母乳もそれだけよく出る、また刺激を受けてたくさん母乳を作り、吸い付くとよく出るから長く飲み・・・と相乗効果で片方の乳房が反対側よりも張ったり、よく出たりすることがあります。 そうすると、反対側の乳房はそれほど飲みやすくないので、吸い付く時間が短くなったり、母乳量も程々の量しか出なかったりするのです。 両方の乳房が全く同じ張り方、同じ大きさ、同じ母乳量という方の方が少ないのではないでしょうか。 その意味では、片方の乳房だけが張るということは深刻な問題ではありません。 対処方法 特別な対処をする必要はありません。 でも、片方だけに張りを感じて左右の差が気になる場合は、張りを感じない方の授乳回数や授乳時間を増やすように心がけてみましょう。 赤ちゃんがそれほど吸い付いてくれない場合は、授乳が終わったら搾乳器や自分の指で乳頭を刺激しておくとよいでしょう。 搾乳の手技と同じです。 乳頭の刺激があればあるほど、母乳に関するホルモンが分泌されて、乳房が母乳を作るように反応していきます。 乳腺がつまりかけている…

妊娠中期に胸が痛いときに考えられることとは

妊娠中は女性ホルモンの分泌の変動によって、女性の身体は大きく変化する時期です。 お腹や胸、腰、肩など全身にいろいろな身体症状もみられます。妊娠中期の胸の痛みは何が原因で起こるのでしょうか。 妊娠中期の時期に起こる身体の変化と、胸の痛みがみられたときに考えられることについてみていきましょう。 妊娠中期とは 妊娠中期は、妊娠5〜7カ月(16〜27週)の安定期に入った頃です。つわりもおさまって、体調が落ち着く人が多い時期ですが、だんだんお腹や胸などが大きくなって身体が丸みを帯びてきます。赤ちゃんの胎動を感じるようになる時期でもあります。 妊娠中期にみられる胸の痛み 妊娠中期にみられる胸の痛みは、以下のことが考えられます。 妊娠による女性ホルモンの変動 胸の張りや胸の痛みの症状は女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌の変動が関係していると考えられています。妊娠が成立してから出産までエストロゲンとプロゲステロンの分泌は増加し続けるので、妊娠中期にも胸の張りや胸の痛みといった症状が見られます。胸の張りの症状は妊娠初期に自覚する方が多いですが、妊娠中期、妊娠後期にも見られます。 肋間神経痛や胸の筋肉の痛み 妊娠中期ごろには肋間神経痛や胸の筋肉の痛みで胸が痛いという症状が見られることがあります。妊娠中の乳房のトップ周囲値とアンダー周囲値の変化を調査した研究では、妊娠中期にあたる16〜28週ではアンダー周囲値が約5センチ大きくなるとされています。 アンダー周囲値が大きくなる理由としては、胎盤が完成し、赤ちゃんが大きく発育していく時期であるため、子宮が大きくなるとともに子宮底が上に上がり、胃や横隔膜が押されることが関係していると考えられています。1)胃や横隔膜とともに肋骨が押し広げられて胸の筋肉が引き伸ばされ、痛みが出ることや、肋間神経が圧迫されて痛みが出ることが考えられます。 お腹や胸が大きくなり、体形が変わることで姿勢のとり方も変化します。運動をする機会が減って筋肉量の減少や筋力が低下し、体勢を変えるときや動作開始時に胸の筋肉に負担がかかって痛みを誘発することもあります。 肋骨の骨折 妊娠中期には子宮が大きくなるとともに内臓や肋骨に圧がかかります。胎動も出てくる頃で、胎動の負荷も肋骨にかかります。骨粗しょう症などがあると骨折のリスクが高くなります。強く胸を打つなどのきっかけがなくても負担が重なって疲労骨折を起こし、肋骨にひびが入って胸の痛みが出ることがあります。 周産期心筋症などの心疾患 妊娠から産褥期にかけて、心不全の既往のない女性が心不全を発症し、心臓の機能低下をきたす周産期心筋症という病気があります。7割は産後の発症ですが、妊娠中期にあたる妊娠20〜27週にも3%が心不全を発症しています。2) 妊娠してから急に心不全を起こすこともあるので、心疾患から起こる胸の痛みには注意が必要です。心不全の症状は胸の痛みのほかに、息切れや咳、むくみ、倦怠感、動悸、体重増加などの症状が見られますが、妊娠中の変化としても見られる症状のため、心不全によるものか、妊娠によるものか、判断が付きにくいかと思います。 狭心症や心筋梗塞、心膜炎などの心疾患でも胸の痛みがみられることがありますので、気になる胸の痛みがあれば産婦人科や循環器内科、心臓血管外科などを受診しましょう。 帯状疱疹 水疱瘡にかかったことがある人は、帯状疱疹ウイルスが神経に潜んだ状態です。何らかの誘因によって、潜んでいた帯状疱疹ウイルスが活性化すると帯状疱疹を発症します。肋間神経に帯状疱疹ウイルス入り込むと、赤い発疹や水泡が胸の神経が走っている部分に沿って帯状に出現し、ピリピリとした痛みが生じます。 帯状疱疹の治療は抗ウイルス薬が用いられますが、妊娠中の服用については十分に医師と相談する必要があります。 逆流性食道炎 胃液や胃の内容物が食道に逆流して、炎症が起こり、食道がただれたり、潰瘍ができたりします。妊娠中期には子宮が大きくなる影響で胃に圧がかかり、食道への逆流が起こりやすくなります。胃酸の酸っぱい液が口まで上がってくる場合や、胸やけ、胸の痛み、げっぷ、喉の違和感などの症状が見られます。妊娠時には、つわりの症状と区別がつきにくいですが、いつもとは違う気になる症状があれば、かかりつけの産婦人科に相談するか消化器内科を受診しましょう。 胸のしこり 乳腺が発達して症状が出る乳腺症や乳腺炎、胸の良性のしこり、乳がんなどでも胸の痛みが出ることがあります。 1)新川治子ら 現代の妊婦のマイナートラブルの種類,発症率及び発症頻度に関する実態調査 日本助産学会誌 J. Jpn. Acad.…

胸が張らないのに妊娠している可能性があるかを検証

生理前の時期にいつもはある胸の張りの症状がない場合や、なかなか生理が来ないけれども妊娠初期にみられるはずの胸の張りの症状がないという場合に、「胸が張らなくても妊娠している可能性はある?」と不安に思う人がいるようです。 たしかに、生理前の時期にいつもみられるはずの症状がなかったり、予定日を過ぎても生理がなかなか来なかったりすると気になりますよね。 今回は、妊娠初期にみられる症状と、生理前にみられる症状を調査した研究の結果をまじえながら、胸の張りと妊娠との関係について考えていきたいと思います。 妊娠中にみられるマイナートラブル 胸の張りは妊娠初期にみられる症状のひとつとしてよく知られていますが、どれくらいの割合でみられるのでしょうか。 妊婦のマイナートラブルについての調査研究 妊婦623人のマイナートラブルの発症率と発症頻度を調査した研究では、妊娠初期の妊婦56人中、44人の78.6%が胸の張りがあると回答しています。妊娠中期の妊婦201人中では140人で70.4%、妊娠後期の妊婦366人中では223人で61.4%の妊婦が胸の張りを感じているという結果で、胸の張りの症状は、妊娠初期に高い頻度でみられるという傾向が得られました。1) 妊娠初期にみられるマイナートラブルとして胸の張り以外に多かったのは、以下の症状です。 易疲労感・全身疲労感(92.9%) 強い眠気(91.1%) 腹部の締め付け感(91.1%) 皮膚の乾燥(89.1%) 口渇(87.5%) 肩こり(85.7%) 吐き気(83.9%) おりものの増加(83.9%) 排便困難感(82.1%) 腹部膨満感(80.4%) 性欲減退感(80.4%) イライラ感(78.6%) 臭いに過敏になる(76.8%) 1) 研究から読み取れること この調査からみると、妊娠初期の妊婦の約8割が胸の張りを感じており、妊娠初期に胸の張りがある人の方が胸の張りがない人に比べて多いということがわかります。しかし、反対に言えば、約2割の方は妊娠初期でも胸の張りの症状を感じないということになります。 生理前にみられるマイナートラブル 妊娠初期には多数の人が胸の張りの症状があることがわかりました。では、生理前ではどうなのでしょうか。どのくらいの割合で胸の張りの症状がみられるかを研究結果から確認してみましょう。 生理前にみられる症状を調査した研究、その1 女子大学生185名を対象に生理前の症状を調査した研究では、胸が張ると回答したのは全体の32.4%でした。そのうち、12.1%の人は毎月ではなく、2〜3か月ごとに胸が張ると答えています。 他にみられる生理前の症状としては、以下のものがあります。 イライラする(51.7%)…

妊娠中に片方だけ胸が張ることはある?

妊娠初期、妊娠後期には胸が張る症状がみられます。胸が張る症状は妊娠による女性ホルモンの変動によって起こり、母乳をつくる準備のために乳腺が発達することや、乳房への血液供給が多くなり、水分が蓄えられることで胸の張りが生じます。 妊娠中の胸の張りの症状が片方だけに限定してみられることはあるのでしょうか?左だけ、もしくは右だけ胸が張るという症状が起こったら、なぜ片方だけ?と不安にもなりますよね。今回は妊娠中に片方だけ胸が張ることはあるのか、不安になった時にどう対処すればよいのかについて確認していきたいと思います。 妊娠中に片方だけ胸が張ることはある 胸の張りには個人差があるため、妊娠中に片方だけ胸が張るということもあります。生理前に胸が張る時にも、片方だけ胸が張って痛むということもみられます。全員が両方の胸が張る、片方の胸が張るというように、症状が固定されているわけではなく、人によって両方の胸が張ったり、右が強く張ったり、左だけが張ったりします。 左右の胸の大きさに多少なりとも違いがあるように、人間の身体は左右差があるものです。乳腺の発達の仕方や乳腺の詰まりやすさなどにも左右差はあり、胸の張りの症状の出方が左右で異なることもあります。 胸が張る側と胸のサイズとの関係 私は普段、生理前には右の胸が張りやすいのですが、妊娠初期のまだ妊娠が判明していない時期に、普段より強い胸の張りを感じたのも右の胸でした。出産してからは三人の子どもの授乳中に乳腺炎に繰り返しかかったのですが、三回ともすべて乳腺炎になったのは右の胸でした。 実は左右の胸の大きさを比較すると、サイズが大きいのは左の胸なのです。胸が大きい方が乳腺もたくさん発達していそうですし、張ったり、詰まったりしそうなものですが、なぜか、張ったり、詰まったりとトラブルが多いのは小さい右の胸でした。 胸が大きいからといって胸が張りやすい、詰まりやすいということはないようです。胸のサイズとは関係なく、胸が張りやすい側があるようですね。 片方だけ胸が張って不安になったら 妊娠中にみられる胸の張りの症状として、胸が張って痛い、乳頭が痛い、乳房がズキズキ・チクチクする、脇が痛いなどの症状がありますが、片方だけにみられる場合もあります。 もし、片方だけ胸が張り、不安になったときには、妊娠の診断を受けた後であれば、かかりつけの産婦人科に受診、相談するとよいでしょう。不安なまま過ごしていてもストレスになりますので、かかりつけの産婦人科がある場合には電話でまず症状を相談してみるのもよいですね。 片側だけ胸が張る症状で考えられること 妊娠がまだわかっていない状態で、片方の胸だけ張って気になるという場合は、産婦人科や乳腺外科を受診し、相談するとよいでしょう。なかには、妊娠中に片側だけ胸が張って痛み、高熱が出るという症状で産婦人科を受診すると、乳腺炎だったという例もあるようです。珍しい例ですが、妊娠中でも母乳を出す準備が整っていれば乳腺炎になる可能性もあります。1) 他にも、妊娠中であっても乳腺症や乳腺線維腺腫、乳がんなどがみつかることもあります。妊娠中であっても、胎児を診るためにも使用されている超音波検査(乳腺エコー)や細胞診・針生検などは、放射線による被ばくの影響を受けずに検査することができます。マンモグラフィ検査は放射線を使用しますが、必要であれば、腹部を保護して受けることもできます。 妊娠中に片方の胸の張りとしこりなどの気になる症状を見つけたら、かかりつけの産婦人科、乳腺外科や乳腺外来を受診し、相談しましょう。2),3),4),5) 胸の張りをおさえる食事と生活 妊娠すると女性ホルモンの働きで乳腺が発達し、母乳をつくるための準備が整えられます。女性ホルモンの分泌のバランスが崩れることや、血流が滞ってむくみにつながると胸の張りが強くなることもあります。妊娠中でも乳腺炎になる例があるように、母乳の源となる血液がドロドロになると乳腺のトラブルにもなります。ホルモンバランスやむくみ、血液の状態を良くする食事と生活を心がけましょう。 胸の張りを抑える食事 肉・魚・卵・大豆などのたんぱく質で主菜を、ビタミンが豊富な野菜や果物、ミネラルや無機質、食物繊維が豊富な海藻やきのこを使って副菜を、乳製品からカルシウムをとり、米などの穀物を主食として栄養バランスの良い食事をとるように心がけましょう。脂質や甘いものは摂り過ぎると血液がドロドロになって乳腺が詰まり、胸が張りやすくなります。甘いお菓子も控えたいですね。 また、油をたくさん使う調理方法は避けて焼く、蒸す、煮るなどの工夫をするのもよいでしょう。塩辛いものは食べると身体のむくみを起こすので、塩分も控えましょう。6) 胸の張りを抑える生活 ストレスを抱えていたり、睡眠不足であったりするとホルモンバランスが崩れやすくなり、胸の張りが強くなることもあります。お気に入りのリラックス法や適度に身体を動かすことでストレスをうまく対処しましょう。 適度に動くことは血流を良くし、むくみの予防にもなります。妊娠中、状態によっては安静にした方がよい場合もあるので、運動を行う前には主治医に確認すると安心です。 1)ゼクシィBaby みんなの体験記 めったにない出産前の乳腺炎! Link 2)日本乳癌学会 患者さんのための乳がん診療ガイドライン Link 3)メディカルプラザweb 乳がんプラザ 妊娠6ヶ月…

生理前は胸が張るのに妊娠前には胸が張らないことってある?

胸が張るという症状は、生理前の症状としてよく聞かれる症状のうちのひとつです。そして、胸の張りの症状は妊娠初期の症状としてもみられることがあります。 妊娠初期の経験談として、「生理前の胸の張りよりも胸の張りが強いなと感じたら妊娠していた。」というパターンをよく見かけます。実は私もこのパターンでした。しかし、「生理前はいつも胸が張るのに、生理前なのに胸が張らないと思っていたら妊娠していた。」というパターンもあるようなのです。 生理前には胸が張るのに、妊娠前には胸が張らないということはあるのでしょうか?生理前と妊娠前の胸の張りの謎に迫ってみたいと思います。 生理前の胸の張り 生理前の胸の張りは、月経の前に精神的や身体的な不快・苦痛な症状がみられる月経前症候群(PMS)の症状のうちのひとつでもあります。 月経前症候群としての胸が張る症状 生活に支障きたすほどの月経前症候群の症状がみられる女性の割合は5.4%程度とされており、決して多くはありませんが、月経前に何らかの症状を抱えている人は日本の月経のある女性の70〜80%程度と言われています。1) 150種類以上もあるとされている月経前症候群の症状ですが、青年期女性の月経前症候群の実態を調査した論文では、月経前症候群の身体的症状として、「お腹が苦しい、不快感がある症状(81.6%)」の次に「胸が張る症状(64.8%)」の訴えが多かったという結果が得られています。月経前症候群でない人でも44.2%が「胸が張る」と答えており、2)多くの人が生理前の胸の張りを経験しているということになります。 私も生活に支障が出るとまではいきませんが、生理前に胸の張りの症状が出るうちの一人です。 生理前に胸が張る原因 生理前に胸の張りが起こる原因は諸説あり、はっきりとは解明されていませんが、月経前に症状が出て、月経が終わる頃には症状が和らぐため、女性の月経周期における女性ホルモンの分泌の変動が関係していると考えられています。 今までは、生理前に胸が張る原因として、排卵が起こってから月経までの黄体期にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の二つの女性ホルモンの分泌量が増えることや、月経前に身体に水分や塩分が蓄えられやすくなることが考えられていました。しかし、最近ではそれらの原因だけでは胸の張りを含め、生理前にみられる身体的な症状を説明することはできないという考えにシフトしてきています。3) 最近の考え方としては、黄体期の後半にエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が低下することが、脳内のホルモンや神経伝達物質のセロトニンなどの分泌や作用に影響し、月経前症候群が起こることが言われています。脳内のホルモンや神経伝達物質は環境やストレスの影響を受けやすいので、女性ホルモンの分泌量の低下だけが月経前症候群の原因とは言い切れず、さまざまな原因が複雑に作用しあって起こるとされています。1),3) 妊娠時の胸の張り 妊娠16週以降からは母乳がつくられるために乳腺が発達して胸が大きくなる時期です。4)この時期には女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの作用によって乳腺が発達して胸が張り、大きくなります。 では、妊娠初期はどうでしょうか。妊娠するとエストロゲンとプロゲステロンの二つの女性ホルモンの分泌量は増加します。胸が張る症状をはじめ、妊娠時にみられる様々な身体の変化は女性ホルモンの変動によって起こるとされています。 ただ、生理前に胸の張りを感じる人もいれば、胸の張りを感じない人もいるように、妊娠前の胸の張りの症状の出方にも個人差があります。そのため、全員が妊娠前の胸の張りを感じるわけではないようです。 生理前の胸の張りと妊娠時の胸の張り 生理前の胸の張りも妊娠時の胸の張りも、女性ホルモンの分泌の変動が関連しています。女性ホルモンの分泌量は人によっても差があり、エストロゲンとプロゲステロンの分泌の割合や変動の仕方も人によって幅があります。月によっても胸の張りが強く出る月やあまり胸が張らない月もあるでしょう。 私は妊娠している場合には、妊娠がわかる前の妊娠初期に胸が強く張るのですが、「もしかして妊娠?」と思うほどに胸が張ったときでも妊娠していなかったということもありました。胸の張りの症状も常に同じではなく、その時々によって差があるようです。 ですので、生理前に胸が張るから、妊娠前にも胸が張るとは必ずしも言えず、生理前に胸が張って、妊娠初期には胸が張らなかったというパターンもあり得そうですね。 生理前や妊娠初期に胸の張りが強く出る場合に考えられること 生理前や妊娠初期に胸の張りや痛み、しこりが触れるなどの症状が強くみられるときには、乳腺症や乳腺炎など、定期的な受診が必要である場合もあるので知っておきましょう。 乳腺症 生理前から月経にかけて胸の張りが強くなる、痛みがある、しこりが触れる、乳頭から分泌物が出るなどの症状がみられる乳腺症という症状があります。 乳腺症は女性ホルモンの変動によって起こる生理的な現象であり、乳腺症と診断されたからと言ってすぐに治療をしなければならないわけではありません。しかし、なかには乳がんのリスクが隠れていることもあるので、30歳以上の方や医師が必要と判断した場合には精密検査と定期的な受診で経過観察を行うことが必要です。 生理前の胸の張りが強く、気になるという場合は乳腺外科を受診しましょう。5) 乳腺炎 乳腺炎は授乳期の女性にみられる乳腺の炎症ですが、まれに、妊娠初期でも乳腺炎となる場合があるようです。胸の張り、痛み、熱感、赤み、発熱、腫れなどがみられたら、産婦人科や乳腺外科を受診しましょう。放っておくと悪化するので乳腺の炎症をおさえ、乳管の詰まりをとることが必要です。 生理前の胸の張りを和らげる方法…

ハリとツヤのある私のFカップバストが卒乳後に…

バストの形や大きさが変化してお悩みではありませんか? 女性の体は妊娠、出産、そして授乳期を経て大きく変化していきます。特に胸に関しては、垂れる、形が崩れる、デコルテが痩せてしまう、など色々なお悩みがあると思います。 しかし、いつまでも美しく在りたいと願う女性は多いはずです。時を経て変化を続けていくバストとの正しい付き合い方とは? 完全母乳から断乳後、突然のバストダウン 私は元々Fカップほどあり、洋服を選ぶ際は、太って見えないようにするなど気を使っていました。しかし、着る洋服のサイズや形は慎重に選んでいても、下着については大体のサイズで合わせて適当に着けていました。Fカップのブラは実際少ないです…。 そのため、横からはみ出してしまう、すぐにズレてしまうなど、フィットしていない感覚がありました。それでも、その時はあまり気に留めていませんでした。 そんな思春期のころからコンプレックスだった胸に、妊娠と出産を経て、また新たな悩みが出てきたのです。 私は20代半ばで初めての妊娠、出産をしました。 妊娠中には胸が張り、太ってしまったこともあり、Fカップバストはさらにサイズアップしました。 張りが強く、下着の締め付けが苦しくなってきたのでファストファッションブランドでノンワイヤーのゆるいブラジャーを探し、妊娠期間中から産後の授乳期まで身に着けていました。 出産直後は外出することも少なく、ひどい時には下着を身に着けないときもあったほどでした。 子供は完全母乳で育てていたので、当時はいかに楽に授乳できるか、ということばかりを考えていました。 そして、出産から1年後に断乳することに決め、その後1ヶ月程で全く授乳が必要なくなりました。 授乳のつらさから解放され喜んだのはつかの間でした。 断乳後の胸の状態はとても悲惨なものでした。胸自体がしぼんで垂れてしまっているうえに、デコルテ部分がげっそりと痩せてしまい、とても貧相になってしまいました。 元々はFカップのハリとツヤのあったバストだっただけにショックも大きかったです。 なぜ、胸は垂れてしまうの? 断乳後にいきなり胸がしぼんで、形が崩れてしまったのはなぜでしょうか。その原因は妊娠期間から断乳するまでの体の変化や生活習慣にありました。 4つの原因 胸がサイズアップし、皮膚が伸びた 乳腺が元に戻りしぼんだ 授乳時の体勢 サイズの合わない下着を着けていた 女性の体は妊娠すると、出産後の授乳に備えて乳腺が急激に発達します。 そのため、胸が張り、サイズがアップすることがありますが、授乳を終えると乳腺は元に戻ってしまい、サイズアップした時に伸ばされた皮膚だけが残ってしまいます。 授乳期の胸へのダメージも原因のひとつです。授乳する際に、赤ちゃんに下向きに引っ張られることや、添い寝をしながら行うことで、形が崩れてしまいます。 また、サイズの合わない下着を付ける、下着を身に着けていないということで、クーパー靭帯と呼ばれる乳房を支える組織が伸びてしまいます。その結果、胸が垂れてしまうのです。 補正下着で体形のお悩み解消 垂れてしまった胸を元に戻すことはできるのでしょうか。マッサージや筋トレといったボディメイクも効果的ですが、子育てに忙しいママには継続して行うのはハードルが高そうです。できるだけ時間をとらず、手軽にできるものはないものか。 そこで、おすすめなのが補正下着です。補正下着とは、年齢と共に変化する女性の体をサポートしてくれるものです。…

母乳が出ない?粉ミルクでも愛情たっぷり、すくすく育っています

母乳が出なくても良いじゃない。完全母乳育児?母乳神話は気にしない。だって、うちの子は他の子よりも私のたっぷりの愛情を注いでいるんだから! 母乳で育てたいけど母乳が出ない 母乳が出ない原因は? 母乳育児には母乳の栄養素やアレルギー予防、ママへの愛情などの様々なメリットがあるのは十分にわかっています。しかし、母乳が出ないのです。完全母乳で育てたい、毎日おっぱいを吸わせているし、おっぱいマッサージだってした、それなのに母乳が出ないのはどういった原因や理由があるのでしょうか? 鉄分が不足しているのかも 母乳は血液からできています。普段から冷え性や貧血気味の人は鉄分不足に原因があるかもしれません。また、出産のときに出血が多かった人も鉄分不足が考えられます。レバーやひじき、豆乳やバナナなど、鉄分を補う食事を検討してみては? 血行が悪いのかも 体内の血の巡りが悪いと、母乳がうまく生成されない場合があります。肩こりや冷えようの人は朝起きた時に軽くストレッチ体操をすることを日課にしてみては? 乳管が詰まっているのかも 乳管がつまってしまうと母乳がうまく生成されず、おしくない母乳になります。そうなると、赤ちゃんは飲まなくなりますので、さらに母乳が出づらくなってきます。マッサージで乳管の詰まりをとってみては? 赤ちゃんの吸い付きが足りないのかも 赤ちゃんがおっぱいを吸うことで乳管が開き、刺激され母乳が出ます。出ないと思っていても、1日に10回くらいは授乳するようにしてみては? 乳首が陥没しているのかも 乳首が陥没していたり、扁平な形をしている場合、赤ちゃんはおっぱいを吸いづらいです。そのため、吸い付きが足りず、母乳が出ない原因になっているのかも? ママの体調が悪いのかも 母乳はママの体内から作られます。ママが睡眠不足だったり、十分に食事を摂れていなかったり、ストレスをためていると、母乳に影響を及ぼしているのかもしれません。 母乳が出ないのは悪いこと? よく聞く母乳神話 母乳が出ない原因は色々と考えられます。また、母乳が出ないママに向けた様々な商品が販売されています。しかし、完全母乳育児を諦めて、粉ミルクを飲ませることは悪いことなのでしょうか?あなたは、母乳神話に振り回されていませんか?どうやら、日本ではこの母乳神話が蔓延しているようです。 吸わせれば出るのにミルクを足すのは親の怠慢 ほ乳瓶の乳首だと子どもの性格が歪む スキンシップができなくて赤ちゃんがかわいそう 堀越英美、http://webmagazine.gentosha.co.jp/、「母親教」は究極のカルト集合体、文化系ママさんダイアリー 母乳神話がママと赤ちゃんを引き裂く 私も母乳が出ないことに対して、義母からの言葉がナイフで切られたかのように心を引き裂かれた経験があります。 しかし、母乳が出ないことがそんなにも悪いことなのでしょうか? 出ないもんは出ないんだよ 北斗晶、http://ameblo.jp/hokuto-akira/、出ないもんは出ないんだよ。、そこのけそこのけ鬼嫁が通る 北斗晶OFFICIAL BLOG…

妊娠すると胸の張りがあるけど痛くないってことはある?

妊娠すると胸が張る、胸が張って痛いという症状は一般的によく言われている情報です。胸の張りや胸の痛みで妊娠がわかったという人も少なくありません。 生理前に胸の張りや痛みを感じる人も多く、生理前の症状と比べて、妊娠しているかどうかの判断基準にする人もいるようです。生理前には胸が張って痛いのに、胸の張りがあるのに痛くないとなると、いつもと違う症状に不を感じてしまいますよね。 妊娠すると胸の張りがあるのに痛くないということはあるのでしょうか。 妊娠するとみられる胸の張りと痛み 妊娠すると胸の張りや胸の痛みがみられる人もいますが、具体的にはどのような症状がみられるのでしょうか。 胸の張りとは よく、胸の張りと表現されますが、具体的には、胸の硬さが増して全体的に張りつめている、胸の大きさが大きくなって皮膚がピンと張っている、何か胸がいつもと違う、違和感がある、脇の方がつっぱるなどの症状がみられます。私の場合は、何だか胸が気になり、押さえると痛い、脇がつっぱるという症状がありました。 胸の痛みとは 胸の痛みについては、胸が張りすぎて痛みを感じるという以外にも、胸の中がチクチクする、乳首が痛い、乳首がヒリヒリする、脇が痛い、歩いていて胸が揺れたり、うつ伏せになったりして胸が圧迫されると痛いというような症状がみられます。私の場合は、胸が圧迫されると痛い、乳首は痛いというよりかゆいという症状がみられました。 胸の張りや痛みの出方 胸の張り方や痛みは、左右の胸に両方出る人もいれば、片方だけにみられる人、胸の外側だけ、または内側だけにみられる人などさまざまです。私の場合は左右差があり、妊娠前には右の胸にとくに張りや痛みを感じていました。 生理前と妊娠した時の胸の張りや痛みの違い 生理前にも胸の張りや痛みの症状がみられる人もいます。胸の症状は、生理周期による女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が変動することで起こるとされています。 生理前の胸の張りと痛み 生理前の症状は、月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)とも呼ばれ、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が増加した後に急激に低下することで脳内ホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすこと、ストレス、環境などの影響を受けて起こる1)とされています。 生理前の症状は女性全員にあるわけではありません。胸の張りや痛み、お腹の張りや腰痛、頭痛、手足のむくみなどの身体的な症状と、落ち込み、イライラする、不安、混乱、引きこもり、怒りっぽいなどの精神的な症状のうち、何らかの症状がある人は月経のある女性の約70〜80%にみられるとされています。症状は生理前の3〜10日間続き、生理が始まると症状は軽減するかなくなります。2) 妊娠したときの胸の張りと痛み 妊娠した時も生理前と同じように女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が増加します。生理前では2つのホルモンの分泌が増加した後、急激に分泌量が低下しますが、妊娠した場合には2つのホルモンの分泌量は低下することなく増加し続けます。 出産に向けて女性ホルモンが増加し、乳腺、乳管などの乳房の組織が発達して乳房のサイズや重さが増大するのに伴い、胸の張りや痛みの症状がみられます。胸の張りは、ホルモンの分泌が増え始める妊娠が判断できる前の超妊娠初期や、乳房のサイズが著しく大きくなる12週前後、再び急激な乳房のサイズの増大がみられる妊娠後半の28〜32週頃3)にみられることが多くなります。 生理前と妊娠したときの胸の症状の差 生理前と妊娠したときの胸の張りや痛みの症状を比べても、生理前には胸が張って痛いのに妊娠したときには胸の張りがなかったという人もいれば、生理前は胸が張ることはないのに妊娠したときは胸が張った、妊娠したときの方が生理前よりも胸の張りも痛みも強かったなどさまざまで、人によって異なるもので胸の張りだけで妊娠を判断することは難しいです。私の場合は、生理前よりも妊娠がわかる前の方が胸の張り、痛みとも強かったです。 妊娠したときに胸の張りのみの症状の場合 胸の張りや痛みの症状は、生理前と妊娠時でも異なり、人によっても症状の出方は変わります。痛みはなくても胸の張りだけある人もいます。何もしていないときには痛くはないけれども、胸を押すと痛いという場合もあります。胸の張りと痛みはセットになってみられることもありますが、そうではない場合もあるのです。 胸の張りや突っ張りとともに、しこりがみられた場合には注意が必要です。妊娠中はとくに胸の張りの症状があるため、しこりがあったとしても気がつきにくい状態にあります。胸の張りの症状で気になることがあれば、産婦人科の主治医や乳腺外科で相談しましょう。 1)公益財団法人 日本産科婦人科学会 月経前症候群(premenstrual syndrome :…

妊娠中の胸の大きさってどのくらい変化するの?

妊娠中は胸の大きさが変化します。一般的には2カップサイズが大きくなると言われていますが、妊娠時期の胸の大きさの変化の仕方はトップ周囲よりもアンダー周囲が大きくなるという特徴があります。トップ周囲は妊娠経過による胸の乳腺の発達に関連して増大し、アンダー周囲は胎児の成長によって変わる子宮底の位置に関連して増大します。妊娠中の胸の大きさの変化についてみていきましょう。 妊娠中は2カップ胸が大きくなる 妊娠前から妊娠10カ月までの期間に、一般的には2カップ程度、胸が大きくなると言われています。一般的なバストトップとアンダーの差で2カップ大きくなるのではなく、胸の下部が横に広がる形で大きくなり、左右の乳頭の距離が広がります。 そのため、同じカップであっても、通常用のブラジャーとマタニティー用のブラジャーとでは形が異なります。妊娠期には妊娠期特有の胸の大きさの変化に合わせたマタニティー用のブラジャーがおすすめです。 妊娠経過と胸の大きさの変化 妊娠3カ月時には2/3カップ以上、妊娠5カ月時には1カップ以上、妊娠7カ月時には2カップ弱、妊娠10カ月時には2カップ程度大きくなるとされています。出産後は母乳が蓄えられるため、重さが重くなり、サイズは出産後1年程度かけて徐々に元のサイズへと戻っていきます。 トップよりもアンダーが大きくなる 妊婦の乳房の変化を調査した研究報告では、妊娠前から出産時期までにバストトップ周囲は平均6.5㎝増大し、アンダー周囲は妊娠前から妊娠36週頃までに平均10㎝増大し、出産直前に約2.5㎝減少する結果となっています。 バストトップ周囲は妊娠12週前後に急激に大きくなり、妊娠16週まで緩やかに増大したのち、妊娠24週まではあまり大きさは変わらず、妊娠28週と妊娠32週で急激に大きくなる変化がみられます。 アンダーはバストトップ周囲に比べて妊娠16週頃までは増大は少ないですが、妊娠24週と妊娠28週で急激に増大し、妊娠36週で最大値となり、その後出産直前までに減少します。 妊婦の乳房の変化を調査した別の研究報告でも、トップ周囲よりもアンダー周囲の方が妊娠前から妊娠10カ月の間での増大が大きく(トップ周囲は平均4.12㎝の増大、アンダー周囲は平均8.78㎝の増大)、胸囲としては平均8.58㎝の増大がみられます。 胸の大きさが変わると胸の形も変わる? 胸の形と妊娠中の胸の大きさの変化についての報告では、 下垂を伴わず、胸がやや大きくなった場合 下垂を伴わず、胸が大きくなる場合 やや下垂を伴い、胸も大きくなる場合 著しく下垂を伴い、胸も大きくなる場合の4パターンに胸の形を分けた場合 妊娠期を通して胸の形の変化はほとんどないとされています。 しかし、出産直後や経産婦では授乳期に母乳が蓄えられて胸が張り、授乳後は母乳が排出されるので、やや下垂した胸の形になると考えられています。妊娠前は下垂を伴わない胸の形の場合も、出産を経て胸の形は下垂するとされています。 胸の大きさが変化する理由とは 胸の大きさはトップ周囲とアンダー周囲で変化の仕方が異なります。それぞれ、どうして変化するのかその理由を見ていきましょう。 トップ周囲の大きさが変化する理由 トップ周囲が大きく増大する妊娠12週頃は女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌が増え、乳腺が肥大・増殖し、脂肪組織が増える時期です。また、妊娠24週頃にもトップ周囲は大きく増大しており、この時期は授乳に向けて乳腺の発達がみられる時期です。トップ周囲の胸の大きさが変化するのは、乳腺の発達や脂肪組織の増加といった妊娠周期における乳房の組織の変化によって起こっています。 アンダー周囲の大きさが変化する理由 アンダー周囲の増大がみられる妊娠16週頃は胎盤が完成して胎児が発育する時期であり、子宮体が挙上して胃や横隔膜が上方に押されることが影響すると考えられています。また、妊娠40週頃になるとアンダー周囲の値が2.5㎝減少するのは、出産が近づいて胎児が下へ降りるのに伴って子宮底が下降することが影響すると考えられ、アンダー周囲の値の変化は乳腺の発達ではなく、妊娠経過によって胎児が大きくなるにつれて変化する子宮体の位置に関連すると捉えられています。 妊娠中の胸の大きさの変化は個人差がある 胸のトップ周囲の大きさの変化は乳腺の発達や増大が関係しています。超音波画像で妊婦の乳腺の発達を調査した結果では妊娠32週で乳腺が著しく発達している人もいれば、ある程度の発達がみられる人、妊娠36週になっても乳腺の発達が良くない人もいることが報告されています。乳腺の発達の程度は個人差があるので、乳腺の発達に関連して増大する胸のトップ周囲の大きさも、個人差があることが言えます。 1)ワコールマタニティ 身体の変化とマタニティインナー選び Link 2)堀井満恵ら 妊娠経過に伴う乳房の発育状況と泌乳との関係 富山医科薬科大学看護学会誌 第1号 1998 89-96 Link 3)山名信子ら 妊婦体型の妊娠経過に伴う変化 表2より一部抜粋 人間工学…